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【JVRS】グリー、「Japan VR Summit」報道関係者向け事前説明会を開催…「現実空間を自由に操作できる時代がやって来た」【レポート前編】

2016年04月14日 16時06分更新

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グリー<3632>は、4月13日、都内某所にて、「Japan VR Summit」(以下、「JVRS」)報道関係者向け事前説明会を開催した。
 
JVRSは、2016年5月10日に、グリーと一般社団法人VRコンソーシアムが共同開催する国内最大級のVRカンファレンスイベント。VR関連および最先端技術に注目している方を対象に、企業、団体、個人問わずに参加者を募集している。VR業界の第一線で活躍する国内外のプレイヤーをゲストに迎え、日本のVR市場を拡大することを目的としている。
 
【関連記事】
グリー、国内最大級の大型VRカンファレンス「Japan VR Summit」を5月10日に開催
 
 
当日は、一般社団法人 VRコンソーシアム 代表理事の藤井直敬氏が登壇して「VRの歴史」や「VR市場の概況」、「海外でのVR活用事例」などについての紹介が行われたほか、グリー株式会社 取締役の荒木英士氏が「JVRS」で実施されるプログラムの詳細とVRへの取り組みについての発表を行った。本稿では、その様子を前後編の2回に分けてレポートしていく。今回は、藤井氏の講演内容をお届け。
 

■一から学べる拡張現実、VR / ARの区分けは要らなかった!?

 
まず始めにVRコンソーシアムの藤井氏が登壇し、「VRとは何なのか」という基礎的なところから始まり、藤井氏が行ってきた取り組みについての話を展開した。
 
▲一般社団法人 VRコンソーシアム 代表理事の藤井直敬氏。
 
藤井氏の講演は、「Virtual」が本来持つ意味は「仮想」ではないという衝撃の一言から始まった。Virtual Realityを直訳して、VRのことを「仮想現実」と表現しているものを目にすることがあるが、それは本来の定義から少し外れており、「Virtual」には「見た目は異なっていても実質的には同じもの」という意味が込められているという。

また、バーチャルで作り出した世界に人間を送り込むのが「VR」、現実世界にないものを見せられるのが「AR」と、一般的にVRとARは区分けされることが多いが、それぞれ見せ方が違うだけで根本的な技術は同じものを使っているとコメント。VRについて藤井氏は、「人類の認知を拡張して進化させる環境技術だと考えているので、普段生活している空間そのものが、VRテクノロジーによってより良い環境に拡張されていくだろう」と語った。
 
 
▲バーチャルリアリティを題材にした映像作品を紹介。中でも、’82年の『TRON』は藤井氏が初めて「バーチャルリアリティ」を意識した作品とのこと。そのほか、現実とバーチャル空間の境界が取り払われた世界の物語の例として『攻殻機動隊』や『マトリックス』といったタイトルを挙げた。
 
一方で、神経科学者として脳の研究もしているという藤井氏は、10年ほど前から行ってきた実験についても説明してくれた。
 
▲上図は、猿を対象にした脳の働きを明らかにするための実験。猿にモーションキャプチャのマーカーを付け、ヘッドトラッキング、アイトラッキング、ヘッドマウントディスプレイを一体化したデバイスを装着して脳活動を記録しているのだという。
 
続いて、VRの歴史の話へ。そもそもVRデバイスの始まりは、’65年にアイバン・サザランドが作成したヘッドマウントディスプレイとのこと。当時から、単にCGで作った映像を見るだけではなく、コンピュータで作ったオブジェクトが現実の上に重ねられているので現実を拡張することに成功していたという話だから驚きだ。
 
▲アイバン・サザランド氏が作成したヘッドマウントディスプレイ。
 
▲NASAが開発したヘッドマウントディスプレイ。手のトラッキングをしているため、非常に没入感の高いものに仕上がっている。
 
▲それまで数百万~数千万単位したVRデバイスの価格をグッと下げたのが、ゲーム機として’95年に任天堂が発売した『バーチャルボーイ』だ。
 
 
▲一方、セガは体験型アミューズメントでVRを追及。マシンに乗り込んで操作するアトラクションを完成させた。
 
VR機が世に登場して約50年、VR業界は技術的に伸び悩んでいたが、Oculusの『Oculus Touch』やValveの『Lighthouse』の登場により、人が空間の中を自由に動き回れるようになり、この半年ほどで目覚ましい進歩を遂げているというのである。
 
また、日本は先行してVRに積極的に取り組んでいたが、これまでは商業的な観点で見ても客の回転率やコストの問題で資金を回収するのが難しかったという。
 
そのほか、拡張現実はゲームという分野に限らず様々な場所で施策が行われていることが紹介された。
 
▲家具販売店イケアが展開する「IKEA AR」。カタログを置くことで家具が出現する。
 
 
▲実際にあるものを消してしまえる「Diminished Reality」。右の画像では、机の上にある物体がタブレットの画面上から消えていることにお気付きだろうか。
 
そして、今から2年前の’14年に『Oculus DK1』がKickstarterを開始。’60年代から続いてきたバーチャルリアリティのプロジェクトがここに結実していくプロセスを見ることができると藤井氏は説明した。
 
▲業界としては、技術的な部分は’80年代に完成されていたが、VRデバイスがコンシューマーレベルに至るまでに時間がかかったとのこと。
 
▲『Htc Vive』は、ヘッドマウントディスプレイを被っていない人にも状況が映像として伝わるところが新しいポイントとなっている。
 
しかし、藤井氏は今のVRやARを不満に思うこともあるという。それは「現実ではなく、違う空間にいることを自覚していること」だと。確かに、最初から「これは偽物の映像だ」と思ってしまうと、途端にチープに映ってしまうかもしれない。

そこで、藤井氏が現実とバーチャルとのギャップを埋めるべく5~6年ほど前に作成されたのが、下記の「SR system」だ。始めに現実の映像を見せてからバーチャルに切り替えることで、現実とバーチャルの区別が付かなくなってしまうのだという。本公演では、実際にSR systemを使って行われたイベントの様子が映像で紹介された。
 
 
▲藤井氏が作成したSR system。
 
▲このとき行われたのは、体験者が気付かぬ間に目の前にいる研究者が本物から映像に切り替わるというもの。
 

▲体験者が天井を見上げた隙に現実の研究員が映像に差し替えられた。体験者が見ている光景では、変わらず目の前に研究員がいるので全く気付かない。
 

▲続けて、2Dの映像作品を視聴。見終わると、研究員がゾンビ化して襲い掛かってくる。バーチャルの世界とはいえ、中々の迫力。
 

▲注目して欲しいのはそのあと。体験者が見ている光景では現実に戻ってきたかのように思えるが、ブース内の様子を見れば分かる通り、実はこの研究員もまだ映像で体験者は騙されているのである。まさに、現実とバーチャルの境界が分からなくなるような仕掛けが施されている。
 

▲ここで現実の光景と映像をクロスさせてネタばらし。体験者が驚いているいる様子が伺えた。
 

▲最後に、実際に触れることが、現実とバーチャルを認識する手段になると藤井氏は説明した。
 
この体験では、現実から地続きに様々な現象を起こすことで、現実とバーチャルの境界を惑わしているのだとか。VRでは、一般的に見てるものや聞いているものを操作するためにリアルな映像や3Dオーディオの作成に開発が集中してしまうが、SRは、自分たちが信じているものを操作する技術のため、画像のクオリティより、如何に本人に信じさせるかが重要になるという話だった。
 
そのほか、藤井氏が’14年に、スマホを使って手軽にVR体験ができる製品を考えて開発したのが『ハコスコ』だ。数十年前と比べればVR機器もかなり手頃な価格になったとはいえ、数百~数千万円のものが数十万円になったレベルなので、一般の方からすればまだまだ高いというのが企画の発端となったとのこと。
 
▲『ハコスコ』の登場により、幅広くの方々がVR機を気軽に手に取れるものとなった。
 
 
▲藤井氏は、過去にVRが失敗した原因として「技術が優先されてしまい、連携がなかったからだ」と言及した。
 
▲『ハコスコ』発売から2年が経ち、デバイス、アプリ、コンテンツを連携させることで、多くの方々にVR体験を届けられるようになったとコメント。

最後に、これからのVR業界の展望を語り、講演の締めとした。
 記事の後編では、グリー株式会社 取締役の荒木英士氏の講演やJVRSについての発表をレポートしていく。こちらは後日掲載。
 
(取材・文:編集部 山岡広樹)
 

■関連サイト
 

Japan Venture Awards 2016 公式サイト





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