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【Japan VR Summit】ソフトウェアから見たVRゲームの展望とは これまでの取り組みと今後の普及やコストについてのトークを展開

2016年05月11日 21時41分更新

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グリー<3632>は、5月10日、東京・品川グランドセントラルタワーにて、Japan VR Summit」(以下、「JVRS」)を開催した。

JVRSは、グリーと一般社団法人VRコンソーシアムが共同開催する国内最大級のVRカンファレンスイベント。VR業界の第一線で活躍する国内外のプレイヤーをゲストに迎え、日本のVR市場を拡大することを目的としている。当日は、企業、団体、個人問わず、VR関連および最先端技術に注目している方を対象に講演や展示が行われた。

本稿では、Mogura VR久保田瞬氏がモデレーターを務めた、Session IIIVRで生まれるヒットゲーム」をレポートしていく。なお、本セッションには、株式会社コロプラ馬場功淳氏株式会社バンダイナムコエンターテインメント原田勝弘氏レゾネア株式会社水口哲也氏がスピーカーとして登壇。VRブーム到来を予期させるきっかけともなったゲームを題材に、各社の取り組みやVRに対する展望についての話を展開した。
 

■コロプラ、バンナム、レゾネアのVRへの取り組みを発表

 

▲モデレーターを務めた、Mogura VR 共同代表・編集長の久保田瞬氏。
 
本講演では、まず始めに、コロプラでのVR事業についての取り組みが馬場氏より紹介された。コロプラでのVR事業発足のきっかけは、馬場氏が個人的にOculus Rift DK1を購入し、プレイしたことに始まるという。最初は1人で始まった開発も、今では40~50人にまで増えているとのこと。
 

▲株式会社コロプラ 代表取締役社長の馬場功淳氏。
 

▲コロプラは、この2年で5本のVRタイトルを配信している。
 

▲最初は、配信済みのスマホ向けタイトルのアセットをそのままVR機に移植するところからスタート。
 
人気タイトル『白猫プロジェクト』をVR向けに開発し直した際には、酔いとの戦いがあったとの話。「VRでアクションゲームを作ることの難しさを学んだ」と馬場氏はコメントした。
 
その後、仮想現実チームを立ち上げ、Oculus Riftで『Fly to KUMA』と『VR Tennis Online』の2本をローンチタイトルとして配信。米国子会社のCOLOPL NIからは、HTC Vive向けコンテンツ『Cyberpong VR』をリリースしたと経緯を説明した。なお、コロプラでは、現在も社内外併せて4~5本のVRタイトル開発に着手しているという。
 
 
 
そのほか、ゲームや動画以外の部分、ハードウェア領域など、自社でカバーしきれない部分を投資で網羅するために「Colopl VR Fund」を設立。映像の分野では、360度動画に特化した専門の子会社「株式会社360Channel」を立ち上げた。
 


 
 

 
続いては原田氏のプレゼンへ。バンダイナムコエンターテインメントのVRへの取り組みについて発表された。
 

▲株式会社バンダイナムコエンターテインメント Worldwide Planning & Development Unit 部長 鉄拳プロジェクトリーダー ゲームディレクター / チーフプロデューサーの原田勝弘氏。
 
バンダイナムコエンターテインメントでは、2011年より、鉄拳プロジェクトがグループ内で最も早くヘッドマウント型VRの研究を開始したという。当時より、「キャラクターをもっと好きになってもらう手段」を模索していたことがきっかけになったとの話だ。
 

▲2011年~2012年に行った研究内容を発表。
 
その後、2013年にPlayStation VR向けタイトルとして『サマーレッスン』の開発に着手。2014年9月に同タイトルが公表され、大きな話題となった。なお、2015年に北米ロサンゼルスにて開催されたE3 Show会場では、新バージョンの出展も行われた。
 



▲2014年11月には、「業界史上最大のVR体験会」を実施。当時はまだそれほどVR関連のイベントが行われていなかったことから、ユーザーのフィードバックは今でも大きな糧になっているとのこと。
 
そんな中、仮想世界とのキャラクターコミュニケーションを実現するため、『サマーレッスン』で目指したのは下記の3点になると原田氏は語る。これは、鉄拳プロジェクトでも目指していた「キャラクターをもっと好きになってもらう手段」にも通ずるという。

①体験した際に「実在感」を感じること
②体験中に「緊張感」を感じること
③体験後に「また会いたい」と思うこと  

さらに、最近での取り組みとしてOculus Gear VRの『PAC-MAN』や、ダイバーシティに開店した世界初のVRエンターテインメント研究施設「VR ZONE」を紹介した。
 

 

 
▲店内のコンテンツはコインオペレーション制となっており、ゲームセンターのアーケードゲームのように有料で楽しむことができる。
 
 
 
 
▲ヘッドマウント型からドーム型筐体まで、様々なVRゲームが用意されている。中でも、4人で協力して廃病院から脱出する『脱出病棟Ω(オメガ)』や、美少女と共にコックピットに乗り込んで敵と戦う『アーガイルシフト』が人気。
 


 
▲『アーガイルシフト』の監修は原田氏が担当している。会場では、実際のゲーム画面も公開された。
 
最後に、原田氏は最大の挑戦として、集団的プレゼン力の弱さ、一度に多くの人へ伝えることの難しさを訴えた。1人1人にVRを体験してもらうことに手間がかかってしまうため、現在はこの点を如何に乗り越えるかに挑戦しているとしてプレゼンの締めとした。
 

プレゼンの最後は、『Rez』や『ルミネス』の制作者としても知られる水口氏。現在は、VR専門の事業会社として米国にエンハンス・ゲームズを設立し、CEOを務めている。水口氏は、エンハンス・ゲームズを国に立ち上げた理由として、日本よりVRの情報が早いことや、プレイヤーと直接話ができる、契約に関してスピーディに物事が進む点などを挙げた。
 

▲レゾネア株式会社 米国法人エンハンス・ゲームズ CEOの水口哲也氏。
 
続いて水口氏は、PlayStation VRのローンチタイトルとして2016年10月発売を予定している『RezInfinite』の動画を公開。
 
 
 
▲2001年にドリームキャストおよびプレイステーション2で発売された音楽シューティングゲーム『Rez』をVRに拡張し、360度見渡せるようにした作品とのこと。
 
さらに、ビジュアルと音の共感覚的な体験をテーマにしているという『Rez』だからこそ実現する意義がある全身バイブレーションする「シナスタジアスーツ」を制作したという。水口氏は、「いつかVRが実現したら、必ずやりたいことのひとつでした」とコメントした。
 
 
▲サンフランシスコのモスコーンセンターで開催された「PlayStation Experience 2015」の様子。
 

▲自分のプレイに応じて、音楽が振動としてフィードバックする。パーカッションで叩かれるような固い音や、ベースで弾かれるような音など、いろんなタイプの振動が全身を駆け巡るという話。さらに、どこが振動しているか分かるようにLEDが設置されている。
 
そのほか、現在はVRに特化したステージを制作中だということが明かされた。
 


▲音楽に合わせて、連動しながら自分の体験に変わっていくとのこと。会場では2点のアートが公開された。
 
 
▲メディアアートの視点でVRを多くの人に体験してもらうため、スーツと大きなスクリーンで表現。VRはひとりの世界に閉じこもってしまいがちなことから、周りの人たちと共有することはできないかという発想から生まれたとの話だった。
 

■VRの今、未来 各社が見据える進むべき方向とは

 
ここからは、久保田氏の出すお題に対して、馬場氏、原田氏、水口氏の3名がトークを展開。最初に出されたのは「VRのどういったところに面白さを感じるのか」というもの。
 
これに原田氏は、「体験として強烈になる」とコメント。今まで、ゲームの中のキャラが自分を意識することはなかったが、VRではゲームの中に入り込むことで、こちらが目を逸らしたり、移動したり、何気ない仕草をキャラが察知できるようになるとのことだ。これにより、ユーザーとキャラの間に関係性が生まれるところが圧倒的に面白いポイントだと感じているという。
 
続く、「今までのゲーム開発と異なる点は?」との質問には、馬場氏が「VRである必要性はある?」というタイミングがあると回答。実際、作ってみると面白さはあるが、2Dディスプレイでも良いよねという意見がなくならないこともあったとのこと。実際、『VR Tennis Online』では、ダブルスを導入したことで後ろを振り返る必要性が出てくるなど、VRならではの操作に繋がったと語った。ただ、今でこそVR感は大事だが、後々VRが当たり前のものになってきたタイミングなら今のゲームをそのまま移植してもいいのではないかということも補足した。
 
今後のVRについて水口氏は、凄くリアルな方向と、逆にアンリアルを方向を拡張させていくのではないかと予想しているという。その中でも、「リアルを突き詰めると一定の地点で停滞してしまうが、アンリアルの方向は際限がない」とコメント。今までモバイルゲームが作ってきた作法とは全く違うものになるのではないかと話を展開した。
 
これに馬場氏も「開発者がまだ慣れていないこともあり、今後はVR空間ならではのインターフェースや表現方法を今から作っていかなければならない。そのうえにVRらしさが構築されていくのではないか」と同意した。
 
そんな中、原田氏は、今までは四角い画面の中だったので見せたい方向を見せられたが、VRでは自分の視線がカメラになるので、視線誘導の難しさを感じているという。カメラの制約によって都合よく使えていた演出が使えなくなった分、手を抜けなくなりコストにも影響があることを明かした。VRを現実に近付けるための方向を目指していると、普段、無意識のうちに認識しているものを再認識する作業が無数に発生するのだという。
 
コストについては馬場氏も、スマートフォンゲームからすると上がると予測しているという。作り手が慣れを吸収したり、ノウハウを構築するまでに時間がかかるのではないかとコメント。
 
これに対して久保田氏は、「今は先行投資やフィードバックを取っている段階かと思うのですが、今後VRはどのように普及していくと考えていますか?」という議題を投げかけた。
 
水口は、最初はコアゲーマーに普及すると考えてはいるが、アメリカ、ヨーロッパ、日本など、国によっても求められているものが異なるであろうことを指摘。アメリカでは今、コアなユーザーが新しい体験を求めているということを強く感じていると話した。
 
続いて、昨今VRデバイスが続々と登場する中で、どういった方面に向けて制作を進めていくかが問われた。
 
馬場氏と原田氏が、VRならではの体験を提供したり、作りたいものを意識するとハイエンド端末に絞られてくると答える中、水口氏はあえてハードは意識しないようにしていると回答。これは、VR事業が普及スピードが速いのではないかと予測していることから、ハードに縛られず常に高いスペックを維持しなければならないと考えてとのことだと語った。
 
最後に久保田氏は、今後、どのようなVRゲームを作っていきたい、どういったことを実現させていきたいかと問いかけた。
 
アクションや格闘、さまざまなジャンルで新作のVRゲームを制作中だという馬場氏は、「まだ始まってもいないことから、合っているものやユーザーの好みが分からない段階なので、いろいろなものを作っていきたい」とコメント。
 
これまでVRについて様々な研究を経てきた原田氏は、日常の一部に溶け込むようなものを作りたいと語る。自分が求めているのは、ゲームらしいものではなく、VR空間に入ることで時間と世界を切り替えられる、リラックスした状態のまま体験できるようなものだと答えた。
 
最後に水口氏は、一年ほどいろいろな経験をして作りたいものが広がってきたという。その中でも、自分の根幹にあるのは「新しい体験作り」、「共感覚」というテーマだとまとめて本講演の締めとした。

 
(取材・文:編集部 山岡広樹)



■関連サイト
 

Japan Venture Awards 2016 公式サイト





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