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【インタビュー】360度動画配信サービス『360Channel』が遂に開始 新規事業としての始まりからリリースまでの開発秘話、今後の展望について迫る

2016年06月20日 09時57分更新

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コロプラ<3668>の100%子会社である360Channelは、5月26日、オリジナルの360度動画を配信する新サービス『360Channel(サンロクマルチャンネル)』を開始した。

『360Channel』で配信するオリジナル動画は、360度全方位へ自由に視点を動かすことが可能で、あたかも動画内に自分がいるかのような臨場感と視聴体験を楽しめる点が最大の特長。サービス開始にあたり、「バラエティ」「旅行」「ライブ」「パフォーマンス」「体験」「ドキュメンタリー」の6カテゴリーのチャンネルから、合計20コンテンツを超えるオリジナル動画が楽しめる。

Oculus Rift、Gear VR などVR専用ヘッドマウントディスプレイ(以下「HMD」)を装着することで、 没入感ある体験が味わえるほか、専用サイトにアクセスすることでPCやスマートフォンのブラウザ上からも利用できるため、VR機器を持っていないユーザーでも体験できる。

今回は、そんな『360Channel』の経営企画/プロデューサーである中島健登氏と、エンジニアのE.K.氏にインタビューを実施。企画発端の経緯から、開発中のエピソード、今後の展望などについて伺ってきた。
 

公式サイト


【関連記事】
「360度動画のテレビ局に」…コロプラの子会社360Channelが手掛ける新感覚動画サービスが遂に始動 サービス概要や体験会の模様を取材



 

■VRと親和性の高い「映像」分野で何か提供できないかと…




株式会社360Channel
経営企画/プロデューサー
中島 健登 氏 (写真右)

エンジニア 
E.K.氏 (写真左)


――:本日はよろしくお願いします。まず始めに、360Channelを立ち上げた経緯についてお聞かせください。

中島 健登 氏(以下、中島):コロプラでは、モバイルゲーム事業のほかに、数年前からVRデバイス向けサービスの事業にも取り組んできました。代表の馬場(馬場 功淳氏)を筆頭に、VRコンテンツに可能性を感じ、今後プラットフォームになるであろうという観点から、親和性の高い「映像」分野で何か提供できないかと考えたのです。

当初はCGM(※Consumer Generated Media -YouTubeなどに代表されるユーザー投稿型のサイト)の方向性も考えましたが、平面映像の歴史を考えると、プロが制作したテレビ番組があったからこそユーザー投稿型のコンテンツが流行ったという背景があると思います。しかし、VR向けの映像コンテンツは出てきたばかりなので、まだこうした過程がありません。ユーザー様自身、制作のノウハウや楽しみ方が分からないかつコストがかかり過ぎるため、そこを我々で掘り下げてみようと思い、360度動画関連事業を展開する株式会社360Channelを設立しました。


――:映像の制作フローとしては、どのような流れになるのでしょうか。



中島:企画→準備→撮影→スティッチ→編集→完パケという流れです。フローとしては「スティッチ」と呼ばれる動画をつなぎ合わせる作業以外は、通常の映像制作とほとんど変わりません。しかし、テレビ番組制作に長年携わってきたプロのスタッフがいるとはいえ、360度という視点を想定した企画を考えるため困難な点もありました。でも、今ではそれらがノウハウになっています。


――:E.Kさんはエンジニアとして具体的にどのような作業をされましたか。

E.K.:以前はコロプラで『プロ野球PRIDE』のエンジニアを担当していました。現在は『360Channel』のプラットフォーム開発のほか、制作にあたって必要なツールや技術の研究開発をしています。


――:研究開発といいますと、具体的にはどのようなものでしょう。

E.K.:現在、『360Channel』ではOculus Riftでの再生はHTTPライブストリーミング(以下、HLS)という規格を採用しているのですが、開発当初はWindowsのUnityでHLSの再生をするという前例があまり見られなかったため、実装に向けた研究開発をしました。お伝えすることはできませんが、その他にも研究中ではあります。


――:発表会では「360度動画のテレビ局」と銘打っていましたので、より多くのコンテンツを素早く提供していくため、制作においても様々な判断が必要になってくると思います。ちなみに「スティッチ」を行う人材の状況について教えていただくことは可能でしょうか。

中島:スティッチ専任担当はそれなりの人数を抱えていますが、国内でスティッチを行える人材自体はまだまだ少ないです。

しかし、コンテンツをコンスタントに制作する上では必要な作業となるので、企画やディレクションなどとあわせて出来る限り内製で行っていきたいと思います。


 

■“360度動画ならでは”とは 未開拓ジャンルへの挑戦も


――:実際に2016年5月26日にリリースされましたが、反響などは届いていますか。
 
中島:発表会(関連記事)後に多くのメディア様に記事を取り上げていただいたこともあり、複数のユーザー様が番組をSNSでシェアしてくださっているのを確認しました。本当にありがたいことです。また、コロプラの広報がリリース後に個人アカウントでシェアしたところ、多方面から反響があったというのを聞いています。


――:現在6つのチャンネルがありますが、それはスムーズに決まったのでしょうか。

中島:ローンチ時には22コンテンツ公開していますが、その10倍ほどのコンテンツをこれまでに制作しました。撮影・スティッチ・編集など制作フローは出来上がっていましたが、何を提供していくのかという企画が難しく、かなり試行錯誤しました。また、報道やバラエティなど色々なジャンルを提供したいという観点からも今回の6チャンネルを選んでいます。

E.K.:サービス開始前に改めて全コンテンツを流して見ましたが、新鮮な気持ちで見ることができました。毛色の違うコンテンツを入れたことが、結果として良かったのだと思います。

■現在公開中のチャンネル
 

公式サイト



――:今後どのようなチャンネル・コンテンツを考えていますか。

中島:まだ詳細はお伝えできないですが、今回発表した6チャンネルには「スポーツ」が入っていません。臨場感を活かしたコンテンツ制作という点で、当然「スポーツ」番組の提供も考えています。ですが、いかにしてスポーツの面白さや臨場感を360度動画で表現するか、VR体験として価値あるものに仕上げていくかなど、まだまだ模索すべき課題があります。
 
たとえば、サッカーを360度動画で表現する際に、カメラを観客席に置くのか、フィールドに置くのかでその表現が変わってきます。また、フィールドが広いため、場所によっては選手が小さく見えてしまうなど、臨場感にも欠けてしまいます。スポーツに関しては、 “360度動画ならではの演出”の創出に今後努めていきたいと思います。
 
E.K.:確かにスタジアムの最前列で観戦している感覚はあるのですが、人が日常生活でふつうにしている“ピント調整”ができないので、綺麗に見える部分が限られてしまいます。カメラの位置やほかの方法を模索することで、独自の見せ方があると思っています。
 
中島:あとは、あげるとすれば「食」ですね。360度動画として美味しく見せたり、また別の表現方法を考えたりしないといけないので、引き続き研究していきたいと思います。




――:360度ならではの動画を作る上で、意識している点はありますか。
 
中島:一番意識しているのは、VR体験でしか味わえない近接感などを想定して、企画やコンテンツを制作することです。360度動画は、すべての視点を使うことに意義があると思われがちですが、決してそれだけではありません。たとえば、現在配信しているチャンネルでは、グラビアアイドルが目の前を横切ったり、アイドルが手を振ってくれたりと、ユーザー様の目線を考慮した脚本・演出を打ち出すことで、十分に没入感を味わうことができます。


――:なるほど。360度動画であること、そしてカメラを意識するなどの演者の理解度に加え、それに付随した脚本も大事になってくるのですね。
 
中島:はい、そうです。


 

■今後のVR環境、360Channelの展望、求める人材に関して


――:360Channelは、今後どのような立ち位置になりたいと考えていますか。

中島:もちろん、360度動画プラットフォームでNo.1になることを目指しています。テレビと同じような感覚で自宅に帰ってきたら“とりあえず点ける”というように、生活に溶け込んだ存在にしていきたいと思います。



E.K.:チャンネルや動画をお気に入り登録できる機能は、まさにそうした流れを後押しするものとなっています。外出先で視聴したい動画や気になる動画をスマートフォンでお気に入り登録して、帰宅後、落ち着いた環境でハイエンドなHMDで視聴するなど、ライフスタイルに合わせた楽しみ方ができます。外出先ではスマートフォンをテレビ番組欄のように活用してほしいですね。


――:課題などがあれば教えてください。

中島:ひとつは、長時間利用するうえでの疲れや酔いに関する問題です。我々が現在提供しているコンテンツはカメラを固定して撮影しています。カメラの動きが加わると、自分が意図していない動きをするので酔ってしまうからです。ただ、動きのあるコンテンツもユーザー様の慣れによっては導入を検討していきます。また、輝度が強すぎると気分が悪くなる原因にもなりかねませんので、ライブ会場など輝度が強い場所では白黒にして色や光を抑える対応も行っています。

E.K.:当初『360Channel』のホーム画面は背景が白でしたが、VR機器を外した時に目が痛いという意見が多かったので黒を基調とした背景になっています。このような色の使い方や表現方法に気を配り、より居心地のよいプラットフォームをつくっていきたいと思っています。


――:アカウントを作った場合、お気に入り登録以外の機能はありますか。

E.K.:開発時には「コメント機能」や「イイね」、他のユーザー様がお気に入りに登録した動画の紹介がありましたが、これらは無くしました。まずはコンテンツを見ていただくことをメインに考えているため、過度に機能を入れないようにと考えました。


――:現在360Channelでは様々な人材を募集していると思いますが、御社のほうで求めている人物像などがあれば教えてください。

中島:募集しているのは、動画技術スペシャリスト、webデザイナー、2Dデザイナー、番組制作ディレクターの4職種です。ディレクターに関してはスキルはもちろんですが、今後どういうことをやっていきたいのか明確な目標がある方を求めています。もともとテレビ局で報道やゴールデンのバラエティを手掛けていた方などが、現在弊社のディレクターとして在籍しています。

E.K.:在籍中のエンジニアはスマートフォンアプリ開発出身者が多く、みんなで学びながら開発に臨んでいる状況です。たとえば、動画の再生をする際に一部が極端に重くなった場合、詳しい方であれば直ぐに原因を見つけられるような問題であったとしても、みんなでいろいろなパターンを調べながら解決しているのが現状です。そのため、動画の知識に秀でている方がいると心強いです。興味がある方はぜひご応募ください。


――:360Channelはコロプラの100%子会社(関連記事)ですが 、360度動画事業を行うなかで、グループ会社のシナジー効果などはありますか。たとえば、スマートフォンゲームを中心に手掛けている“コロプラらしさ”の要素があれば。

E.K.:プラットフォームの観点から言えば、ユーザー様の意見を受け入れてどんどん改善していくというスムーズな運用は、スマートフォンゲームを運用しているコロプラらしさかなと思います。

中島:「まずはやってみる」という点です。技術研究やスティッチ部隊に関しては、番組の企画を考えるディレクターが入社する前から、自分たちで積極的に色々なことを試していました。こうした経験があったからこそ、多彩な番組配信の実現に繋がったと思っています。


――:最後に今後の360Channelの展望を教えてください。



中島:繰り返しとなりますが、360度動画配信サービスでNo.1になっていることです。そこを目指して、面白いコンテンツを継続して提供していきます。

E.K.:VR端末で『360Channel』を操作する場合、視線を使ってキーボード入力をするので、ログインであってもかなり面倒です。それを解消するためにログインキーを採用しました。このように今後インターフェース部分に関して様々な問題も出てくると思いますので、ユーザー様にとってより利便性の高いものを作っていきます。


――:本日はありがとうございました。
 
(取材・文・撮影:編集部 和田和也)
(取材・構成:編集部 原孝則)


■360 Channel
 

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© 2016 360Channel, Inc.




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