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【TVS】「最高のVR専用ホラーゲームを作る」…VRコンテンツの開発で必要な3つのこと

2016年06月30日 10時49分更新

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gumi<3903>の100%出資子会社であるTokyo VR Startupsは、6月29日、VRに特化したインキュベーションプログラム「Tokyo VR Startups」(TVS)において、参加企業の最終発表の場として「Demo Day」を開催した。

当日は、参加企業5社による各社プロダクトのプレゼンテーション/デモなどが行われ、国内外から150名近くの投資家・企業が参加した。各チームは2016年1月~6月までの6ヵ月間のプログラムを通じて、VRプロダクト・サービスのプロトタイプ開発を行ってきた。

本稿では、最初期からOculusソフトを開発している高橋健滋氏が代表の株式会社桜花一門のプレゼン模様を取材。

【関連記事】
「日本発で世界に通用する5社が出てきた」…Tokyo VR Startups参加企業が手掛ける新機軸のVRコンテンツ 最終プレゼン会を取材


 

■VRコンテンツの開発で必要な3つのこと



登壇した桜花一門のCEO 高橋健滋氏は、これまで16年間にわたってゲーム開発を続けてきた。VRコンテンツの開発は2013年から始めて、この3年間で20本ものソフトを制作。さらには、30回ものイベント(オキュフェス)を主催するなど、まさにVRの伝道師といえよう。

そんな数々のVRコンテンツを手掛けてきた高橋氏は、冒頭で「VRはVRネイティブで設計しないと面白くない」と語った。言わば、今までのゲームを単純にVR化するのではなく、“VRならでは”の要素をゼロベースから考えて開発に臨む必要があるという。思えば、スマートフォンゲームの黎明期は家庭用ゲームの移植も多かったが、“スマホならでは”の直感的な操作の『アングリーバード』などが世界中で大ヒットしたものだ。

では、具体的にVRコンテンツの開発で必要なことは何なのか。高橋氏は以下の3つを挙げてくれた。

・世界をリアルにするインタラクティブ
・複雑なリアルを面白くする抽象化
・VRを被っていない観客のフォロー


インタラクティブについてこんなエピソードを話してくれた。2年ほど前、テレビ局のイベント用にVRコンテンツを手掛けた際に、開始後2分ぐらいに良いオチがあったにも関わらず、お客さんは1分ほどで飽きてHMDを外してしまったのだという。

コンテンツの内容は、タレント同士が話している姿を間近で見られるものだが、お客さんに対してはアクションがなく、全員から無視されているような孤独感があったと振り返った。ここで、タレントに話しかけられるなどのインタラクティブ性をもたらしたら、利用時間も伸びたのではないかと高橋氏は分析。実際に現在手掛けているゲームでは、インタラクティブ性を意識して、その世界にあるアイテムを全て動かせるようにと考えているという。
 

移動は基本的なインタラクティブ。VR酔いの問題で、昨今はワープ移動が主流だが、そこは自由移動にこだわっているようだ。


▲何より自由移動だと巨大な敵に近づく際の緊張感があると語った。もちろんVR酔いの問題については、1年間かけて移動方法やテクスチャの設計にこだわりながら開発・解消に向けて進めたという。


 
とはいえ、“自由に何でも出来ます”では、プレイヤー自身が何していいか分からないという混乱も生じるため、ある程度の抽象化が必要とのこと。「たとえば、将棋は実際の戦争を模しているのだが、デフォルメ化したことでゲームとして楽しめる。自由に移動できる場合でも、あからさまに違和感があるものをひとつ置いておくことで誘導することも可能」と高橋氏が言葉を添えた。

最後のVRを被っていない観客のフォローだが、高橋氏は30回ものイベント開催を経て、2:2:6の法則が存在すると語った。
 

その法則というのが、わずか2割の人しかHMDに率先して被ってくれないことだ。残りの8割の方に被ってもらうためには、いかにVR体験が楽しいかを知ってもらうことが重要という。そこで高橋氏は、HMDを被っている方と、モニターに映っているゲーム画面の演出を変更したのだ。
 

▲HMDでは当然主観視点だが、モニターでは写真のように三人称視点となっている。俯瞰した画面になることで、情報量が一気に増えて、周囲で見ている方もコンテンツの情報を共有できるのだ。たとえば、画面を見ながら「後ろに敵がいるよ」「そっちじゃないよ」といったコミュニケーションのきっかけにも繋がる。また、見ている側は2P側として妖精を操作することも可能。

しかし、あくまでも今回紹介したゲームは、プロトタイプ(デモ版)に過ぎない。これらの要素を用いて、現在高橋氏は“世界に入り込んで逃げられない最高のホラーゲーム”を開発中とのこと。それが『ChaineMan』だ。
 

写真にもあるChaine(チェイン)とは、プレイステーションのコントローラーを握っている状態が、ちょうど手錠をかけられている様になることからきている。具体的なゲーム内容は不明だが、とある場所から生き残りをかけて脱出していく流れになるようだ。

PlayStationVRでは2017年8月発売予定、OculusとViveでは2017年10月発売予定とのこと。

プレゼンでは「VR時代のバイオハザードを作る」と豪語した高橋氏だが、先日カプコン社はPS VRに対応した『バイオハザード7』を発表したことが記憶に新しい。これについて高橋氏は、現在開発しているホラーゲームについて「VR専用」であることを強調し、VRならではの演出を盛り込んでいくことで差別化がはかれることを語った。
 

実際に桜花一門が手掛けたデモ版をプレイしてみた。

デモ版では、主観視点によって進んでいくアドベンチャゲームになっている。特徴的なところは、前述したようにHMD上では主観視点となるが、表示されているモニター上では3人称のような視点になっていること。HMDではその視点上で確認できないオブジェクトを、観覧者が合いの手をいれることでよりゲームが面白くなるという狙いがあるようだ。

当日はOculus riftとXBOXコントラーラーでプレイしたが、PSVRでの動作も行われた。
 

▲HMDでは前方しか見えていない


 
(取材・文:編集部  原孝則)
(取材・文:編集部  和田和也)


■桜花一門
 

公式サイト


 




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