CEDEC 2016、コロプラ、PlayStaionVR(PSVR)に関するVRセミナー記事

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いち早くVRコンテンツを開発した5社が登壇 開発して分かった事とは【CEDEC 2016】

2016年08月25日 07時15分更新

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2016年8月24日(水)~26日(金)に、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2016」(以下、CEDEC 2016)が開催。

本稿では、1日目(8月24日)に実施されたセッション「PlayStationⓇVR がつくりだす VR の未来」を取材。10月13日発売予定のPlayStationⓇVR(以下、PSVR)の紹介と、VRコンテンツ制作を通じて得た知見から、これからの VR の未来についてと、数名のクリエイター同士のディスカッションが展開。


 

■いち早くVRコンテンツ開発に携わった5名のクリエイター


本セッションでは、すでにVRコンテンツを手掛けている開発チームを始め、サポートを行ってきたミドルウェア会社の方を交えて、VRコンテンツの開発で成し遂げたかったことや、開発を通じて学んだことなど、パネルディスカッション形式でざっくばらんに進行していった。

進行役を務めたのは、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平氏。

クリエイター登壇者は、エピック・ゲームズ・ジャパン 代表の河崎高之氏、グリー 取締役 執行役員の荒木英士氏、コロプラ  Kuma the Bear 開発本部 仮想現実チーム マネージャーの小林傑氏、バンダイナムコエンターテインメント ゼネラルマネージャー/チーフプロデューサーの原田勝弘氏、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 日本担当部長の大前広樹氏と、いち早くVRコンテンツ開発に携わった5名のクリエイターが登壇した。
 

▲SIE ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平氏


はじめに吉田氏よりPSVRの概要について説明があった。

すでに多くの方がご存知だと思うが、PSVRはプレイステーション4(以下、PS4)のゲーム体験をさらに豊かにするバーチャルリアリティ(VR)システム。VRヘッドセットをかぶると、プレイヤーの360度全方向を取り囲む、迫力のある3D空間が出現。独自の3Dオーディオ技術との連動によって生まれる圧倒的な臨場感により、ゲームの世界に本当に入り込んでいるかのような体験をもたらす。

これまで数多くの家庭用ゲームを手がけてきたゲームクリエイターやメーカーがPSVRへの参入を表明し、その数国内35社をはじめ、全世界230社以上にも及ぶ。
 

 

▲魅力のひとつに、PS4につなげるだけで簡単に臨場感のあるゲーム体験が楽しめること。
 

▲PSVRは、PS4開発環境及びサポート体制の優位性も挙げられる。Unreal EngineやUnityなど、様々なエンジンに対応しているほか、操作は従来のコントローラーをはじめ、PSMoveモーションコントローラーにも対応。また、ソーシャルスクリーン機能により、HMDを被っていない方でもテレビ画面に映し出されたゲーム画面を見られるなど、新しいプレイスタイルが特徴。


7月23日に予約が再開され、即座に売り切れたPSVR。現在は、予約再開に向け準備が整い次第、プレイステーション オフィシャルサイトおよびPSVRの「プレミアムメールマガジン」にて案内されるという。吉田氏は「期待に応えられるように出荷していきたい」と言葉を添えた。

そして、今後PSVRが普及していくために、品質の高いコンテンツの創出であることを述べた。これはPSVRに限らず、VR市場全体にも言えることだが、素晴らしいコンテンツが次々とリリースされることで多くのユーザーに新しい体験を提供できるとのこと。

今回の講演は、そんな第一線でVRコンテンツを作り続けているクリエイターたちとディスカッションをすることで、ノウハウ集のシェア、情報交換という意味合いも込められているという。ここからは、それぞれの登壇者の自己紹介に移った。
 


▲エピック・ゲームズ・ジャパン 代表の河崎高之氏


▲同社のゲームエンジン「Unreal Engine 4」は、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』など様々なゲームで使用されている。PSVRでも『サマーレッスン』をはじめ、海外タイトルでも数多くのタイトルで採用。



▲グリー 取締役 執行役員の荒木英士氏


▲グリーは、スマホ向けVRゲームタイトルの開発をはじめ、VR会社のベンチャー投資、イベント「Japan VR Summit」の主催など幅広くVR事業を展開している。



▲コロプラ  Kuma the Bear 開発本部 仮想現実チーム マネージャーの小林傑氏


▲コロプラは、Oculus、Gear VR、HTC Viveなどプラットフォーム問わず多岐にわたるジャンルのVRゲームを開発。今年3月のOculus Riftローンチでは、日本企業で唯一のタイトルリリースであったことに加え、同時に2タイトルを配信したことでも話題を呼んだ。



▲バンダイナムコエンターテインメント
ゼネラルマネージャー/チーフプロデューサーの原田勝弘氏



▲バンナムの原田氏は、現在PSVR向けに『鉄拳』や『サマーレッスン』を開発中。PSVRが発表された2年前の当時、吉田氏が『サマーレッスン』をはじめて遊んだとき「衝撃だった。この時点でこれほど凄いものが作れるとは」と驚いたエピソードを語ってくれた。



▲ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 日本担当部長の大前広樹氏


▲ポピュラーなゲームエンジン・Unityは、当然PSVRでも利用されている。自社では、VRゲーム『Another Therad VR』を開発。余談だが、デモとしてPSVR向けに提出したところ、本格的なレビューが返ってきて驚いたという。ただ大前氏は「これほどのサポートやコンサルティングが受けられるのは非常に良いと思った」とコメント。なお、同社とSIEはPSVR用コンテンツ企画を募集したコンテストを展開中(関連サイト)。
 
 
 

■VRコンテンツを開発して分かったこと


ここからは、各お題に対してディスカッションしていく形式で進行。

はじめに「VR技術を使って成し遂げたかったこと」について。今でさえ個性的なVRゲームタイトルを手掛けている各社だが、そもそも当初はどのような考えをもって事業に臨んだのか。

『サマーレッスン』を開発中の原田氏は「キャラクターに感情移入して欲しかった」とコメント。『鉄拳』を筆頭に、格闘ゲームを中心に手掛けていた同氏だが、当初はデモ版として『鉄拳』キャラクターをあてはめていたとのことだったが、どうにも感情移入が出来ずに断念したという。「VRにおけるキャラクターの存在感は大切」と言葉を添えた。

コロプラでは、代表の馬場功淳氏がOculus Rift DK1を購入して、「これでゲームの中に入りたい」という一言がVR事業のはじまりだったと小林氏は語る。当初は『白猫プロジェクト』のVR版を開発したが、いまいち没入感が無かったため、改めてそのとき「“VRならでは”のオリジナルコンテンツを作らなければならない」と思ったとのこと。

一方でグリーの荒木氏は、両社とは異なり、SNSプラットフォーム事業で得た知見をもとに、コミュニケーションとVRを組み合わせた新しい体験を目指していたようだ。現在はコミュニケーションを軸にしたマルチプレイのVRゲームを開発中。

続いてのお題は「開発で一番苦労したこと、開発して初めてわかったこと」について。ここで原田氏は、「カメラを奪われること」とコメント。従来のゲームはカメラを開発側が設けたルールのなかで動かせたのに対して、VRではプレイヤーの気分で自由自在にカメラ(視点)を360度動かせるのだ。見てほしい部分と、そうでない部分と、きちんと考えながら開発する必要がある。
 

そのほか苦労したことについて、開発当初のエピソードを語ってくれた。今でさえ「VR元年」と呼ばれるようになったが、原田氏が開発していた数年前は、業界内でも孤立無援であったことを明かした。「コンテンツを見せる機材や機会もなく、社内で許可を取るのも大変だった」と、未知のハードウェアに対する投資が企業として受け入れられなかったエピソードを披露。なお、グリーの荒木氏も同様の苦労があったという。

次のお題は「次のVRタイトルでやってみたいことは」について。Unityの大前氏は、ワンコンセプトのシンプルな体験を挙げた。「コンシューマゲーム機としてPSVRを初めて体験した方は、まだ慣れていないためひとつのアクションに絞ったタイトルのほうが、とても受け入れやすいのかもしれません」と述べた。
 

また、川崎氏はマルチプレイとVRの可能性についてコメント。仮想空間のなかで1対1の物理的な遊びをするデモにて、たまたま川崎氏がログインしたところ、ちょうど本社のスタッフも遊んでいたそう。ゲーム内で突然出会ったふたりは、驚いたリアクションをとったり、ボディランゲージで交流をはかったりと、仮想空間上での他人とのコミュニケーションに面白味を感じたとのこと。

最後に「これからのVRタイトル開発者へのアドバイス」について。大前氏は「とりあえず作ってみること」と述べた。小林氏も同様に、少人数のチームでコンスタントに開発し、意見を取り入れることの大切さを語った。

原田氏は、今後成長が期待されるVR市場だからこそ、VRそのものに目新しさがあることを指摘。「『サマーレッスン』は大したアイデアではない。VRだから注目される。だからこそ、今後は奇抜なアイデアでチャレンジしたい」と言葉を添えた。荒木氏もVR体験の新鮮さを挙げて、シンプルなゲーム作りが重要だと語った。「すでにVRが新しい体験なので、最初は分かりやすいコンセプトで開発したほうが伝わりやすい」とした。

川崎氏は、幸いにも現在VR市場の黎明期でチャンスに溢れているとのことだが、遅かれ早かれスマホ市場同様にいつかはVR体験という新鮮味が薄れてしまうことを挙げた。「そのタイミングで次はナラティブ性が求められるかもしれません。今から2週目のことも考えることも重要です」と語り、パネルディスカッションは終わった。

 
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