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「非電源ゲーム」のゲームマーケットでVR!? 『アニュビスの仮面』と新作『モニャイの仮面』を体験プレイ

2016年12月14日 10時58分更新

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12月に東京ビックサイトで開催されたゲームマーケット。今回はその模様をお届けする。さて、このゲームマーケットだが、基本的にはテーブルゲームやカードゲームといった「非電源のアナログゲーム」の展示試遊販売会である。ではなぜ当媒体で紹介するのか? キーワードはやはり「VR」だ。「ハコスコ」社と共同開発したボール紙製のVRゴーグルを用いるボードゲーム『アニュビスの仮面』、その開発元である「ギフトテンインダストリ」が新作を出展、試遊できるとあっては行かねばなるまい。
 

会場は11月にできたばかりの東7・8での開催で、東駐車場の辺り、と言えば分かる方もおられるだろう。ガレリアをひたすら進み最奥から1Fへ、一度外に出て横断歩道を渡った先が7・8で、当日朝はビックサイトのエントランスからガレリア、新展示場まで行列が続いていた。カードゲームやボードゲームのユーザー数の多さや熱量は知っていたが、本当に失礼ながらこれほどの人数が来場するとは思っていなかったからびっくり。結果、ゲームマーケット2016秋は12,000人の来場者を数えた。並んで終わり・買って終わりではなく、プレイする方も多いため密度が濃くなるのだろう。ちょっと変な形をしているが東7はとても広く、今年の冬コミでも使用されるとの事だった。
 

 

■事前情報『アニュビスの仮面』とは

まず『アニュビスの仮面』だが、これはVRとボードゲームを融合した「世界初」のVRボードゲーム製品である。前述のハコスコ社と共同で開発したボール紙製のVRゴーグルを組み立て、そこにスマホを装着、ダウンロードしたアプリを起動して、「プレイヤー全員がVRゴーグルを覗いて遊ぶ」作品だ。スマホの画面をそのまま用いる一眼であるため、子供から大人まで幅広く一緒に楽しむ事ができる。また、今回の会場では新作と一緒に同作の試遊スペースも設置。偶然通りかかった阿蘇山大噴火氏を引き入れてのプレイや、海外のプレイヤー、動画コンテンツの取材陣と混じって楽しくプレイできた。
 
 

■新作『モニャイの仮面』試遊タイム!

ギフトテンインダストリの新作『モニャイの仮面』は、2017年春発売予定のVRボードゲーム。オカルト好きなら誰もが知っている学研の「ムー」協力の元で作られている。ちょうど今年の夏に横浜で行われたCEDECの記事でも少し触れたため、ご存じの方もおられるだろう。『アニュビスの仮面』同様に、プレイヤー全員がVRゴーグルを使って「目的」を完遂するために協力するのが特徴だ。まだ開発段階であるため詳細な仕様は変わるかもしれないが、現段階での仕様などは次の通り。


背景:「舞台は海に沈んだ海底神殿、伝説の霊獣ラパラパを見つけだしUFOで連れ帰ろう!
神殿内部が見える『モニャイの仮面』を使って、
仲間と一緒に迷路の地図を完成させ、安全に宝をゲットしよう!」
プレイ人数:2~6人
プレイ時間:30分
対象年齢:10歳から
 
 

大まかなプレイスタイルは、VRゴーグル「モニャイの仮面」を装着している人が海底神殿を見て、VRゴーグルを付けていない人がマップを作成。プレイヤーそれぞれが順繰りに見た一つ一つの迷宮を合成していく。最終的には海底神殿内に点在しているラパラパを一カ所にまとめて、UFOからのトラクタービームで連れ帰る事が目的となる。
 

『モニャイの仮面』の特徴は、大きく3つ。一つは「VRゴーグルを用いた協力型伝達ゲーム」である事。これはアニュビスでも同様で、ギフトテンインダストリ作品最大の特徴だ。「体験している人しか分からない」というVRの弱点を逆手にとり、プレイヤー全員がそれを体験し、VRゴーグルを見ていない人も装着者の言葉を聞き取り地図を形作っていくため、「人の話を聞く」「上手に説明する」「想像力を働かせる」事が重要となる。子供の成長に不可欠な要素のみならず、社会人として必要な要素も詰まっているのが実に興味深い。新人研修に最適だという言葉が出るのも大いに頷ける話。なんの贔屓目もなく、企業の方々に導入をおすすめしたい。

2つめの特徴は、仮面を覗いて「ジャンプ」する事で、水上と水中を行き来できるところ。霊獣ラパラパは水中ではなく水上に存在しているので、彼らの姿と現在地を確認するためにも水上にあがってみる事は必要不可欠となる。VRらしい機能ではあるが、ボードゲーム=平面とVRでの高さ・階層の概念と組み合わせているのがおもしろい。
 

3つめの特徴は、ラパラパの姿を見た人がその形を人に伝えるのではなく、自分で粘土をこねて形作るところだ。ラパラパがどんな道にいてどちらを向いているか(顔は見えたか)、どんな形をした個体か、という要素でマップを創り出していく。今回は開発中のデモプレイという事でラパラパの形は一定だったが、本当であれば形状はアプリ側での自動生成となる。また、「粘土ってベトベトになるんじゃない?」という声も聞こえてきそうだが、使用しているのは小麦粘土で安心安全。それでも気になる方は、シリコン粘土などを試してみるのもいいだろう。単色ならば金額も手頃だ。

3つ、と言ったが4つめの特徴を述べる。それは「一人60秒という短時間プレイ」そして「その場から移動しないプレイ」だ。VRクリエイター達の頭を悩ます要素が「VR酔い」で、フォトリアルな作品でもこれは同様。意図しない視線誘導や移動で、酔う人は酔うのである。筆者も酔いやすい人間であるため他人事ではないのだが、このプレイ時間の短さ・移動制限が酔いに対するアンサーとなっているのだ。前作『アニュビスの仮面』から続く特徴であり、より多くの人がゲームを体験できる要素として注目したい。
 

この他にも、「ロスタイム制度」「出来上がったマップが占いになっている」などのゲームルールやおもしろ要素があるので、ちょっとでも興味を持った方は同社のHPをチェックしてみよう。なお、『アニュビスの仮面』は現在普通に購入する事ができる。
 

■ゲームマーケット大賞2016

「この1年間の中で1番面白かったゲームに大賞を贈ります」というド直球な方法で選ばれるゲームマーケット大賞受賞者は、以下の通り。なお()内は製作。

大賞:ビンジョー×コウジョー(すまいる120円工房)
 
 

優秀作品:たのめナイン(するめデイズ)
ちんあなごっこ(高天原)
幽霊島(楽々亭)
横濱紳商伝(OKAZU brand)
 
 

特別賞:アニュビスの仮面(ギフトテンインダストリ)
 

非電源ゲームの賞として、『アニュビスの仮面』に賞を贈るかどうか迷った、というゲームマーケット創設者の草場純氏は、「境界線の問題はあるが……」としながらも、同作の斬新なアイディアに対し「新しい地平を拓くもの」と評価。審査員一同協議した結果、特別賞を授与したとの事。この柔軟性こそ、アナログゲームの醍醐味だ。そこには「おもしろいから選んだ」というストレートな感情が垣間見えた。


■ギフトテンインダストリ濱田氏にインタビュー
 
 
――:今作はどこが前作と違いますか?

濱田氏:前作で感じた不満の改良などを、ふんだんに詰め込んだ作品になっています。代表的な特徴は、1レイヤーだったマップを2レイヤーにしたところ。水上と水中をジャンプで切り替えて、より見た目がおもしろくなるようにVRを用いています。

『アニュビスの仮面』の経験者前提の話になってしまうんですが、前作だと何回も繰り返し遊ぶ事でコミュニケーションが最適化されてきてしまう問題を、「チャレンジカード」という新要素で対応。このカードをプレイ時毎回引いて遊びます。一つを例に挙げると、仮面を被っている人は「はい」と「いいえ」しか言えない、といった感じですね。伝達の方法を複雑に変える事で、よりコミュニケーションゲームとして奥深い体験ができるのではないかと考えています。中には難度の高いカードもあって、マップ作成の鍵となる色々なレリーフを「擬音語で表現しなくてはならない」とかもありますよ(笑)

――:それはヒドい(笑)

濱田氏:だからこそコミュニケーションが変わるんです。このゲームで大切なのは、事前に対策を立ててその作戦が成功するかどうか、なんです。「擬音語とかどうすればいいの」という部分を解決するところがおもしろいだろうなと考えました。

――:「アニュビスは難しい」という声を聞きました。

濱田氏:アニュビスは難しいですが、作戦を立てて攻略しているところに楽しみを見出してもらえています。その部分が「すごく研修向きだ」という話も聞くんですよ。

――:ラパラパもマップも自動生成ですか?

濱田氏:そうです。ボードゲームプレイヤーって、そういう部分に期待していると思っていまして。ゲームだとレベルデザインした方が絶対におもしろいんですよ。でもボードゲームは何度も繰り返すところに魅力を感じている方も多い。100回遊べるという事も大切な要素ですね。ゲーム作りに関して言うと、ボードゲームもデジタルゲームも共通点があるんです。

――:恥ずかしながら、ゲームマーケットがこれだけ盛況だとは思っていませんでした。来場者もさる事ながら、出展が実に多い。

濱田氏:ここが世界的に見ても珍しいと言われているのは、「副業であっても作っている側がこんなに多い」ところ。「おもしろい」と海外のメーカーの方もいらっしゃっています。

――:まだ『モニャイの仮面』発売前ですが、3作目の情報をこっそり教えてください。

濱田氏:今回は純粋に「2」(二作目)という位置づけで、アニュビスの持っているいいところを引き継ぎつつ、より新しい要素を入れました。一方で、次の作品はもう少し毛色の違ったものを考えています。まだ多くは語れませんが、「MR」(Mixed Reality)を使った作品ですね。『モニャイの仮面』ともどもご期待ください!

――:ありがとうございました!


■主催運営の株式会社アークライト新規事業部次長・刈谷氏にちょこっとインタビュー

――:今後スマホを使った作品は増えると思いますか?

刈谷氏:断言はできませんが、話は聞いていますし開発されている方もいらっしゃいます。

――:今回ギフトテンインダストリさんが特別賞となりましたが、今後スマホなどを使った作品が増えればその部門賞も考えておられますか?、

刈谷氏:アナログゲームとデジタルの境界は非常に曖昧、そしてアナログゲームとは「基本なんでもあり」な側面があります。私自身は、デジタルで完結しておらず、みんなで集まって交渉するようなアナログで楽しめるものであれば認めてもいいかな、とは思っています。作品次第ではありますが、そういったものが出てくる事はおもしろいですね。

スマホを使用したものだと、人狼のようにプレイ中に特定の人にしか情報を出さない、という遊び方もありますよね。今回優秀作品に選ばれた「たのめナイン」もゲームをサポートするアプリがありますので、今後はそのような形も増えてくるのではないでしょうか。VRにも期待しています。

――:お忙しい中ありがとうございました!


■最後に

失礼ながらもっとクローズドな展示会を予想していただけに、クリエイターの数や来場者数の多さに圧倒された「ゲームマーケット」。他にも数多くの魅力ある作品が出展されており、この中から将来多面的にコラボして羽ばたくものもあるのだろうと実感させられたし、実際にメディア・ミックスされて動いている作品もある。また「ギフトテンインダストリ」の躍進に影響を受けて、今後はVR系の作品も増えるだろう。もちろんアナログ/デジタルの境界問題もあろうが、双方にいい影響があると願いたいし、信じている。

アニュビスもモニャイも手軽に楽しめるので、まだVRを体験していない方や小さなお子さんなどに是非楽しんでいただけたらいいなあ、と思う今日この頃。これからのクリスマスや年末年始といったパーティーシーズンに、スマホさえあればプレイできる『アニュビスの仮面』を手に入れて、家族親族恋人友達と一緒に「VRデビュー」をしてみてはいかがだろう?

( 取材・文:ライター 平工泰久)
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