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『モニャイの仮面』濱田氏とスーパーミステリーマガジン「ムー」望月氏による、オカルティックブレスト&インタビューその1

2017年01月06日 19時05分更新

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業界唯一のVRボードゲームを世に生み出した「ギフトテンインダストリ」。そして業界に燦然と輝くスーパーミステリー・マガジン「ムー」。そんな二社がタッグを組んで世に生まれようとしているのが、VRボードゲームの『モニャイの仮面』だ。今回は、同作に携わる二人のキーマン、ギフトテンインダストリ代表の濱田隆史氏と、月刊ムー編集部の望月哲史氏によるブレスト&インタビューを行い、2017年のVRとオカルトを占う。
 

■コラボは意外とカッチリスタート?

――:コラボが決まった経緯をお願いします!

望月氏:ムーが絡んできたのってかなり後半でしたっけ?

濱田氏:相談したのは7月で、結構最初からです。元々私達はボードゲーム業界での知り合いで、望月さんはムーの『オカルトかるた』を作った人なんですよ。

望月氏:そんな事をやっていて、ボードゲーム界隈で『アニュビスの仮面』を知っていました。今回、声をかけていただいた時も「エジプト神話だったらムーは組める」という気はしていたんですが、どこまで関わってご協力できるのかという部分はありましたね。我々は別にエジプト考古学の権威でも無いですし、UFOなどの資料を国内で独占しているわけでも無いので、同じようなゲームを作る時にムー抜きでもやれるんです。ただお声掛けいただいた時に、ムーとして何をしたら意味があるのかは考えました。

濱田氏:『アニュビスの仮面』を作っている時から、「かなりオカルティックなものだな」という印象はあったんです。と言うのも、毎回インスト(ルール説明・指導)をする際、お客さんに「これを見ると違う風景が見れます、あなたは違う世界に行けます」と言っていたんです。「アニュビスの仮面」を被ると透視能力によってピラミッドの中を透視できます、ただし60秒しか見る事はできません、という超オカルティックさで(笑) 体験する際にはVRボードゲームを知らない人も結構来ていただいていまして、だからゴーグルを覗くと体から意識が抜けたような、または「異世界に行った体」で振る舞うのかな、と。

望月氏:VRは幽体離脱っぽいところがあるかも知れませんね。

濱田氏:そう言えば、ムー本誌でもの透視の企画が掲載される事がありますね。各国や様々な機関がやっている透視の種類があったりして。元々透視をテーマに扱っているところが近いなあと。

望月氏:リモートビューイングなどは普通にFBIもやっていますからね。

濱田氏:親和性が強そうだったから、「是非!」みたいな形でお願いしちゃいました。
 

望月氏:最初アトランティスって言ってませんでした?

濱田氏:そうですね。今回は海がテーマで、これまでに作っているゲームは「○○文明」みたいなものが多くて、ギフトテンインダストリ二作目の『ダッタカモ文明』もそうです。箱の中にオーパーツ的なものが入ってるんですよ。

望月氏:この『ダッタカモ文明』のパッケージはいい味出してるんですよね。マヤ文明っぽさの再現度と言うか、これ作った人は凄いですね。

濱田氏:パッケージは当社の梶川が一人で描きました。彼女は二作品目から関わってくれています。ギフトテンインダストリの一作目は中東で、二作品目がマヤ文明、三作品がエジプトで、四作品目となるこの『モニャイの仮面』はムー大陸というかオセアニアと言うか、そのあたりのイメージも望月さんからいただいているんですよ。

望月氏:確かアトランティスと聞いていました。沈んでいる大陸と言えばアトランティスなんですけど、濱田さんの世界観というか、お話を聞いているとオセアニアっぽいなあと感じました。島のイメージもそうですし、またマップがランダム生成だという事でしたから。アトランティスって街のイメージが比較的しっかりしているんです、同心円上に都市があって……みたいな。だからどんな形でもいいのであれば、ムーの方がいいかも知れない、というお話もしました。 思い出した……良かった、ちゃんとムーらしい話をしたんですね、昔の自分(笑)

濱田氏:そんな経緯で、今回はイースター島になったんです。モチーフを決める時に色々探るわけですけど、オセアニアの雰囲気で石だったらイースター島だし、彫刻だったらパプアニューギニアやカンボジアのものが使えるだろうと。アンコールワットなどのイメージもあります。

望月氏:まず最初に、「イースター島はムー大陸の一部でしたって説があるんですよ」みたいな話をして、後はノータッチ(笑)

濱田氏:いえいえそんな事ありませんよ。ゲームデザインに時間がかかっていて、2016年夏のCEDECでちょこっとお話した時はまだ世界観が無かったんです。「ゲームデザインが決まってから世界観を作る」というのが僕らの作り方なので、そこまで時間がかかってしまっていましたから……。望月さんに一番最初に相談を持って行った時は、「アトランティスか幽霊船かどっちにしましょう?」とも言っていました。

「沈没した船」で「水があって」「2レイヤーになっていて」かつ壁に何かかかっているという設定があったんです。その中で考えていたのは幽霊船で、半分沈没している、潜ると絵画がかかっている、そこで水面に出るとシャンデリアがある……そんな世界観か、今回採用した海底神殿とどちらかがいいかという話をした時に、ムーさんが絡むなら海底神殿かなと。
 



望月氏:モチーフが決め難いというのもありました。船などは何種類かに限定されてしまいそうで、内部がランダム生成ならば元ネタを固定しない方がいいのではないかと考えたんです。

濱田氏:描かれたモチーフにも水面の表示にもパターンがあって、そこのアドバイスもムーさんからいただいています。最初はもっと島をイメージしたものになっていました。
 

■人生の一大イベント「モアイ造り」

今は海底神殿の壁があって、レリーフのデザインはちょっとポリネシアっぽくて、表情のある顔……色の付いた壁があって。実は『アニュビスの仮面』をクリアするとCGっぽいアイテムを入手できるんですが、僕らってCGを作るよりも実物を作った方が早いんです。社内に3Dプリンタもありますし、できたものに色を塗って完成。その方が、3Dモデルを一から作るよりも早いんですよね。一見3Dに見えても実は実物だった、とか(笑) 今回モニャイでも同じ方向で作ろうと思っていまして、望月さんにもそのアドバイスをいただきたいんですよ。
 





望月氏:うーん、イースター島ってモアイの他に何も無いんですよね……後はロンゴ・ロンゴくらいでしょうか。鳥人伝説があるので鳥系の何かがいいかも知れません。それと本。チャーチワード(ジョージ・チャーチワード)の本とか。この人はムー大陸仮説を唱えた発端の人です。本当は大陸など無かったかも知れないけど、島のネットワーク全体でムー大陸じゃないけれど、共通の文化みたいなのはあったのではないか、という説もあります。

――:ポリネシア系だと神様だったり神話や伝承だったり似通ったものがありますよね。

望月氏:縄文土器が南米で見つかったりしていますしね。一言で「ムー大陸」って言っても東はイースター島、西は与那国島まで、海に何かあると「ムーってこれなのではないか?」と言われますよ。

――:与那国の海底神殿もありますしね……ところでモアイを選んだ理由はあったんですか?

望月氏:ムー大陸だったらイースター島があって、象徴的なモアイがあって、濱田さんご本人も行った事があるならそれにしましょうと。

濱田氏:旅行が凄く好きで、これまでに行ったところのある文明のゲームしか作っていないんですよ。イースター島自体不思議なところで印象的で、でもあそこってむっちゃ小さいんですよ。車に乗って1、2時間で回れてしまう。

望月氏:でもその中で人が生活して文明を持っていたというのは不思議ですよね。

濱田氏:そう、なんであの人達がモアイを作ったのかというのがとても不思議で、島内に作りかけのものが大量にあるんです。

望月氏:絶滅の途中まで作ってたって事ですよね。その痕跡が面白い。今残っている人達は当時モアイを作っていた人達とは違う、という話もあります。

濱田氏:鳥人族は?

望月氏:鳥人文明の伝説は南米にもありますし、ケツァルコアトルも翼を持つ蛇の神ですし。空から神様が降りてきて文明を授けたという「古代宇宙飛行士説」があるんですが、鳥人も古代の宇宙人だったのかも知れない。だから『モニャイの仮面』にもUFOが出てくるんです。
 

濱田氏:最初は鳥人文明でも作ろうとしてましたよね。

望月氏:ですね。でも鳥ではカッコがつかないのでは、と(笑) モアイをシンボルにして、「モアイ型の宇宙人が、かつて手掛けた文明を見に来る」という設定を考えました。その方が分かりやすいと思ったんです。

濱田氏:モアイって色々な形があって、中には手が何本も付いているやつもいるんですよ! 虫みたいになってて!

望月氏:目があるのってもう無いんでしたっけ?

濱田氏:現存するモアイに目は付いていないんですよ。付いているのは全部レプリカ。実はあの目って落ちたんじゃなくて、戦い、戦争で壊されちゃったらしいんです。どうしてかって言うと、「目は霊気を持つ」という事で真っ先に壊されてしまった。だからモアイの近くに行くとその破片が散らばっているかも知れませんね。

そうそう、さっき話をした手が一杯あるモアイってね、話を聞くと神秘的なものを感じるんですが、実際に見ると「違うんじゃないかなあ」「これって手の位置を間違えたんじゃ?」って思えるんですよね。ボクはモノヅクリをする人間なのでなんとなくそう思うんですが、多分位置を間違えちゃったんだなあ、ってのを感じてしまう(笑)

――:それらを見ているだけでも長く楽しめそうですね(笑)

濱田氏:イースター島には一週間くらい居ましたが、最初の2日で飽きますよ! 見る場所と言うと……モアイは一杯ありますが……そうですね、さっきも話しましたけど、制作途中で諦めて放置されているモアイが凄く多いんですよ。作ったんだけどここで止めた、という感じのものが多い。江戸時代などには「伊勢参り」がありましたよね。だから、ひょっとしたら「人生の中で一度はモアイを作らないと」みたいな事があったんじゃないかと!

望月氏:「製作途中で止める」というのも、もしかしたらモアイを立てる事が目的ではないのかも知れないですね。作る途中で、例えば「流れ星を見ると失敗作になってしまう」とか謎のタブーを含んだ、一連の儀式だったりして……って、妄想ですけど(笑)

濱田氏:途中で彫りかけて止めてるモアイ、運びかけで止めてるモアイなんかもあって、島内のモアイを大まかに分けるとパターンは3パターンになります。彫ってる途中で止める、運んでる途中で止める、目標地点まで行ってるの3つ。これって、あるエリアまで辿り着いたらゴールなのかな。

このモアイ文明が終わった後に鳥人を崇める文明もあったようなんですが、この鳥の絵が結構しょぼい絵。モアイより鳥人族文明の方が新しいと言われているんですが、衰えているように見えます。恐らくモアイの頃は栄えていて、争いなどで退化してしまった。怖い話で、地球というのは限られているんだよ、争いは良く無いんだよという感じですね。

望月氏 ヨーロッパ人の到達が「イースター(復活祭)」の日だから名付けられただけであって、現地の言葉ではラパ・ヌイ。

濱田氏:そう、ラパ・ヌイ。そのラパ・ヌイ、『モニャイの仮面』のお宝の話に戻すと、どうしましょう? 鳥と羽と、他は?

望月氏:後は目ですね。目付きモアイとか。トーテムのてっぺんにあるような鳥にしておくのはどうでしょうか。

濱田氏:「ロンゴ・ロンゴ」という、右から始まったら左に読み進み、下段は折り返して左から右に読む形式の「解読不能」と言われている文字もありますが、何かご存知無いですか?

望月氏:解読されてないですしねぇ。

濱田氏:石版があまり出てないから、誰かの落書きの可能性もあるんですよね。

――:「ヴォイニッチ手稿」のように、本当に意味が無いのかも。

濱田氏:本当にイースター島って何も無くて、食材もチリからの輸入。魚もあんまり捕れないので、モチーフが少ないんですよ。お宝を作るにあたって、ムー大陸自体にもしっかりした形、ものがないので、ポリネシアの文化を持ってきた方がいいのかも知れないですね。

――:やっぱり目ですか。世界的に見るとホルスの目でもモチーフがありますし。他の目というと……。

濱田氏:フリーメイソンですね!(笑) ポリネシアのマレーシアまで含めてしまうと、アンコールワットなどが入ってきて仏教になってしまうので……そうですね、手付きモアイとか、目付きモアイとか、帽子付きモアイとか、そういったものを集める方向で。

望月氏:いっそ、背面にも顔があるとか!

――:両面宿儺的な?

望月氏:そうそう。後、つなげられそうなモチーフとしては、「グヌンパダン遺跡」でしょうか? インドネシアで発掘が進んでいる遺跡ですね。今のインドネシアは島で構成されていますが、海面が低かった時代は大きな島、スンダランドだったと言われています。グヌンパダン遺跡は12,000年前のものと分かっていて、シュメールよりかなり古いですよ。

――:紀元前10,000年ほどですか……ギルガメッシュ涙目ですね。さて、『モニャイの仮面』関係の事も決まりましたが、ゲーム全体の印象などはどう感じていますか?

望月氏:アニュビスもまあまあ難しいのに、「六角形+2層」になったりして大丈夫かな、ハードコアモードだなって思ったんですが……(笑)。
 

 
濱田氏:実は『アニュビスの仮面』よりも『モニャイの仮面』の方が簡単なんですよ。アニュビスの知識が無ければ「こういうものかな」と思ってもらえるだろうし。そこで「ジャンプするんだ」「海底神殿なんだ」というカジュアル感を出したいんです。六角形だからこそできるパズル要素もありますし、ボードゲーマーは六角形(ヘックス)大好きですからね!

――:制作にあたり、大変なところはどこでしょう?

濱田氏:使用する仮面は自社設計で、社内のCADで作りました。段ボールの製のVRゴーグルはかなり考えられていて、完全に収納できるんです。全てのパーツを分解して一番大きな本体に収め、最終的には製品の箱に収まります。
 

『モニャイの仮面』の発売は3月で、現在多くのご予約をいただいています。『アニュビスの仮面』ほど爆発的にはいかないかも知れませんが……実は『アニュビスの仮面』は作るのが大変で、今のところ増産の予定はありません。もし購入を考えている方が居られましたら、この機会に是非。『モニャイの仮面』はご予約受付中です!

https://gift10.co.jp/collections/frontpage/products/maskofmoai

⇒後編に続きます (近日公開)

(取材・文:ライター  平工泰久)

 
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