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【UNREAL FEST EAST 2017】コロプラが脱Unity!? UE4を使ったVRゲーム移植のノウハウをお届け【前編】

2017年10月13日 16時05分更新

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コロプラは、10月8日の「Unreal Fest 2017」で、「脱Unity!?UE4でVR開発のここが変わった」と題するセッションを行い、エンジニアの加田 健志 氏、佐々木 尚人 氏、デザイナーの西村 博司 氏が登壇した。

本セッションでは、Unityで開発したタイトルを、Unreal Engine(UE)を使って移植する際にあたってのノウハウ、そして移植を通して分かった同エンジンの魅力についてレポートする前編だ。
 

■コロプラもUE初心者だった。移植でわかったUEのノウハウとは

 

▲コロプラ エンジニア 加田 健志 氏

最初に登壇したのは、エンジニア 加田 健志 氏だ。同氏は、入社してから一貫して同社のVRタイトルに携わっており、今回はSteamVRでも世界一位を記録した体感VRアクション『TITAN SLAYER』のUnityから、Unreal Engineへの移植に関してのノウハウを説明した。
 

 
Unreal Engineからの移植の目的は「グラフィックの向上」だったという。ただしコロプラのVRタイトルはそれまで全てUnityで開発しており、UEに関しては初心者だったそうだ。

そのため新規タイトルの開発ではなく、まずは既存タイトルの移植を行い比較することになったと経緯を振り返った。

まずは開発環境についてだ。
 

▲当初、メモリは16GBだったが足りなかった。各PCはネットワークで繋ぎライトマップ分散ビルド環境を構築している。UEは標準でこういった機能が整っているのも魅力の一つだと語った。

UEはUnityと比べてより多くのスペックを求められるため、VR READY PCというだけでは不足だったそうだ。VR対応のPCは一般のものと比べて遥かに高いスペックだが、メモリに関してはかなり多く持たないと安定して稼働しなかったという。

その目安としては32GBで、デザイナーに関しては64GBを積むようにしていると開発環境を明かした。
 

環境の構築から手探りの中、VRチームで最初にしたことはサンプルプロジェクトを見ていくことからだという。

UEのサンプルでは爽快アクションゲーム『ROBO RECALL』や、NVIDIAの技術をふんだんに取り込んだ『VR FUNHOUSE』などゲームとして非常にリッチなタイトルが用意されている。

ここではマテリアルとテクスチャーといったデザインアセットだけではなく、BlueprintやC++で作られたプログラムの部分も見ることもできるので大いに参考になったそうだ。
 

またプロジェクトにあるサンプルの中には、VRコンテンツの移動方法としてよく用いられるテレポート機能や、モーションコントローラーでオブジェクトを掴む機能があり、更にVRプレビューボタンを押すだけでヘッドマウントディスプレイの中でVRが表示できることを便利な点として挙げた。
 

 
そんな期待をして移植を進めていた『TITAN SLAYER』のUE初期バージョンだが、物事はそんなに簡単にはいかなかったようだ。
 

開発してまず出た感想が「Unityとそんなに差がないのではないか?」とのこと。では、ここから"どう良くしていくか"というのが、チームの新たな課題となった。
 

▲コロプラ  デザイナー 西村 博司氏

続いて登壇したのは、デザイナーの西村 博司氏だ。同氏はコロプラで背景アーティストとして主にVR領域を担当しており、前職ではUEに触れる機会もあり、『TITAN SLAYER』の移植にあたってはサポート役として参加している。

西村氏は新たに発生した課題を「背景制作」という観点から、UnityからUEへの移植にして得たノウハウとその利点を語ってくれた。
 

移植を行っただけではクオリティアップには繋がらず、粗が目立つというのが先ほど上がった新たな課題だ。

この問題はどういったところに原因があったのか、西村氏は以下のような内容を原因として挙げている。

1点目は、Unityは背景モデルがマージされており、編集と修正がやりにくいという点。

2点目は、近距離においてのモデルの質感に粗が目立ったという点。

この2点をクオリティの原因として捉え、背景を全て作り直したそうだ。

まずは背景のマージ問題に関してだ。作り直しに当たってまずはUEのBSPツールという主にレベルデザインを行う時に使うツールで作成し、ステージの土台を作っている。
 



▲複雑な編集をやりすぎると動作が重くなるので、レベル構築はシンプルにするのが良いというアドバイスも。
 

▲BSPツールでステージの骨組みが出来上がった。

ひょんなことから作り直しになったことで使用したBSPツールだが、実際使っていてアセットの制作することもなく、早い開発サイクルでプロトタイプの検証ができたのは大きな魅力だったようだ。

その影響で時間の短縮ができた分、コンセプトアートなどに時間を使うことができたと振り返った。


▲編集しやすいモジュラーアセット

次に実際の制作だ。マージされた背景は編集しにくいという問題から、作り直しに当たっては編集しやすいモジュラーアセットを採用している。
 




このモジュラー化によっての恩恵は大きかったようで、少ないアセット数でステージの構築が可能になったことや、アセットにルールを決めておいたことで、レベルエディタ上で効率よく作業を行うことができたのだという。

当初はクオリティの面において、作り直し作業となった背景だが、開発の効率化という面でもUEは大いに役に立ったようだ。

 
次にもう1つの問題である近距離に配置された背景の粗が目立つという内容に関してだ。

この問題にはUEの機能であるディテールテクスチャーを使っている。
 

ベーステクスチャーのみに比べて、ディテールテクスチャーを使うことで、質感がなくボケていた状態を改善することができたと西村氏は太鼓判を押した。

UEを使った作業は、簡単なマテリアルであれば少しの学習でアーティストでも作ることができることや、目的にあったマテリアルを使うことで問題の解決ができたという。
 

▲実際にUEで制作した背景がこちら
 

このように作り直すことになった『TITAN SLAYER』の背景ではあるが、アセットのモジュラー化による業務効率の良さと、アーティストでもマテリアルの制作を行い、グラフィックのクオリティを上げることができたということは、非常に魅力的だったとした。
 
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