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VR MMO RPGへの道は着々と モノビットのVRの取り組みを代表の本城氏、VR開発部長の山岸氏に聞く

2017年12月20日 12時00分更新

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モノビットは、初のVRタイトルとなる「Trip Trap Travelers(トリップ・トラップ・トラベラーズ)」(以下、T3)を発表した。

同タイトルは、プレイヤー4人まで同時プレイが可能で、数々の罠やモンスターの攻撃を避けつつトラップ満載のダンジョンから脱出し、そのクリアタイムを競うシステムとなっている。

そんなT3は、アドアーズが運営する「VR PARK TOKYO IKEBUKURO」で体験することが可能だ。

本タイトルの開発はスクウェア・エニックスでスターオーシャンシリーズ、ヴァルキリープロファイルシリーズ等を手掛けてきた山岸 功典氏が、開発指揮を行ったVRコンテンツでもある。

本稿では、モノビット代表取締役社長の本城嘉太郎氏と、VRゲーム事業部部長の山岸 功典氏にVRコンテンツの開発への思いと、今後の構想に関して聞いた。


■VRのためのモノビットへ




株式会社モノビット 代表取締役社長
本城 嘉太郎(写真右)氏

株式会社モノビット VRゲーム事業部部長
山岸 功典氏(写真左)


ーー本日はよろしくお願いいたします。まずは山岸さんのモノビットへの入社に関して教えてください。

山岸 功典 (以下、山岸):もともとエニックスに在籍しており、その後の合併で会社がスクウェア・エニックスになりました。

在籍時には『スターオーシャン』『ヴァルキリープロファイル』といったコンシューマーのタイトル、近いところでは『ヴァルキリーアナトミア』といたモバイルタイトルも手がけています。

コンシューマーとソーシャル両方やってきましたが、新しいものがやりたくなったんですね。

丁度その頃は、コンシューマーのタイトルが行き詰っていると感じているところもありました。

そこでこの先何をしようかなと思っていた時期に、モノビットからお声がけを頂いたんですね。ちょうど2016年くらいの話です。

その頃にソニー・インタラクティブエンターテインメントさん(以下、SIE)の、PlayStation VRの発表がありました。

だったら新しいこと、VRをやってみようと思ったんです。そしてモノビットに入社してVRタイトルを作り始めたんですね。

本城もVR MMO RPGが作りたいという目標がありましたし、私自身もRPGを作ってきた。そういった流れのマッチングも良かった。それが今回モノビットに入社したの経緯です。

あとスクウェア・エニックスを退職する際、同社の本多副社長から「VRやるならどうせエロ作るんだろ」って言われました。人の顔を見て”エロ”って言わないで欲しいですよね(笑)


ーー(笑)。VR MMOとは気になるワードです。後ほどお伺いしたいと思います。最初にVRの存在を知ったきっかけはなんだったのでしょうか。

山岸:最初はPlayStation VRでした。ロケーションVRはまだ認知がなかった頃です。

その時感じたのは、ゲームということより表現の新しい形だと思いましたね。


ーーモノビットに入社され、最初のタイトルの『T3』がをついにリリースになりました。
 

山岸:最初は脱出ゲームではなかったんですよ。コンシューマー系にあるダンジョン探索型のゲームを想定して作っていました。


ーー『ウィザードリィ』のような?

山岸:そうですね。そういった形のゲームを想定してスタートしました。

ただ、開発をしている最中で、イベントやロケーションVRが盛んになってきた時期で、ロケーションVRの需要は高いと思ったんです。

丁度アドアーズさんとも話してるときで、アトラクション感が高い体験型のゲームとして開発を方向転換したんです。

本城からも「体験型の方が良いよ」という話しがあったので、その時を堺に一気に作り変ましたね。

そういった経緯で、当初とコンセプトが違うタイトルになったんです。


ーー開発にはどれくらいの期間がかかったのでしょうか

山岸:2017年の4月に開発が始まって、そこから数ヶ月後に作り直しをして完成になりました。


ーー「VR PARK TOKYO IKEBUKURO」にはかなり短期間で開発して納品されたんですね。


山岸:そうですね、VRゲームは割と短期間で作るのが時代の流れだと思っています。


ーーT3の開発にあたってのこだわりを教えてください

山岸:プレイするユーザーさん達は、ゲームユーザーというより、渋谷や池袋に遊びに来る一般の人達を想定しています。

そのため、あまりゲーム性を高くしないこと。雰囲気のあるアトラクションとして遊んでもらうことをまず考えました。

その上で、VR内で歩いて移動できるダンジョン攻略がしたかったんです。

VRの最大の問題点として酔いの問題があるので、移動方式はワープシステムを採用しました。


ーー体験していても酔いは感じなかったです。


山岸:良かったです。あの仕組みであれば殆どの人は酔わずに体験できると思います。


ーー操作も非常にシンプルですぐに馴染むことが出来ました。

山岸:操作方法も極力もシンプルにしたのは、今回の狙いの一つでもあります。


ーー世界観も操作もシンプルで、それ故に誰でも楽しめると思います。

山岸:危険なところから出ていくという脱出する話なので、とてもシンプルですよね。

暗くて罠だらけの危険なところからどうやって逃げ出そうかっていう。

ただ難易度に関して言うとやや難しくしてあります。

というのも「VR PARK TOKYO」は、定額の入場料を支払って、時間制で遊ぶ方式ですので、

脱出に失敗しても何度でも楽しんでもらえる設計にしたんです。

これが、1プレイいくらという料金設計だと、なかなか設定しにくい難易度になってると思います。


ーー罠として大きなのギロチンも非常に特徴的です。遠くから見ても危険だとすぐわかる(笑)。



山岸
:あの表現は非常にダイレクトですよね。痛いというのがすぐにわかります(笑)


ーープレイしていて、VRで『ウィザードリィ』をしたらこんな形になるのかと思っていました 冒頭でVR MMO RPGという言葉がありましたが、その取り組みについても教えてください。

本城 嘉太郎 氏 (以下、本城):『T3』の開発はVRの知見を高めようと言う点もありました。

4人同時プレイ、オンライン対応といったところも今後のMMO RPGの開発を見込んだパーツ作りも兼ねています。

やはりMMO RPGに入り込むのはゲーマーの夢だと思うんでよね。

そこは必ず大きなジャンルになるとも思っています。

またCTOの中島謙吾に関しても元々MMO RPGの開発にずっと関わってています。

そういった意味で基盤作りは着々と進めていますよ。


ーーVR を使ったMMOという構想は、いつごろからあったのでしょうか。

本城:2015年くらいに『サマーレッスン』でVRを意識しました。

VRの技術を使ってMMOの開発が出来たら最高だと思ったんですね。


ーーVR MMO RPGに関しては、どれくらいの進捗で開発を行っていくのでしょうか

本城まずMMO RPGを作る基盤を来年に作る予定です。

それに並行してRPGで面白い世界観というところを山岸と作っていこうと思っています。

またファイナンス面も、どういう座組で資金を調達するか会社の戦略として考えております。

その他で言うと2017年夏に「モリカトロン」というゲームAI専門開発会社を設立しました

RPGやMMOの開発は物量が膨大になります。制作費や維持費がかさみ、経済的に成り立ちづらくなっています。

そこでAIを使って自動的にある程度ゲームを作り込み、人間はAIに指示をするだけという開発にしていきたかったんです。

そういったことも含めてもMMOでどう運用するのかも、来年から始めようと思っています。

結果が出るのは年単位で先になると思いますが、着実に進めていますよ。


ーーモノビットには、ネットワークゲームの開発をするにあたって、モノビットエンジンという非常に強力なエンジンがありますね。

本城:「VR Voice Chat」や「Monobit Unity Networking 2.0」という通信エンジンがあります。これらのエンジンは、弊社のVRコンテンツには採用していますし、また他社様に提供できます。


ーー先日、サン電子さんのARグラスを体験したのですが、こちらでも使用されていました。

本城:そうなんです。ARグラスのような限られたPCリソース上でも動作するという点も強みです。

今後はVR向けのサンプルも追加するので、VR業界の人にも使ってもらえたらと思っています。


ーーVRの現状に関してはどう考えられえていますでしょうか。

本城:モバイルの分野でもう少しVRが強くなるかと予想していました。でもARに寄っていきましたね。

またVR市場の立ち上がりも自分の想像より数年遅いです。

3年後くらいにモバイルVRデバイスで、今のHTC VIVEよりも高い解像度と、HMDおよび両手で6dofのトラッキングができる製品がリリースになったタイミング、そこからが本番かなと思っています。


ーー今のお話を受けて、山岸さんはVR MMO RPGに関してどういうイメージを考えていますか



山岸:開発するにあたっての、基本的なお作法は一緒だと思っています

先程ギロチンの話が出ていましたが、VRでは体験という面が強くなります。

RPGだとはユーザーさんには探検をしてもらっていますが、通常のゲームではその表現の一部は「オブラートに包まれているのでは?」と。

例えば、剣や魔法での攻撃は、ユーザーの中ではゲームだからというお約束が前提で体験をしていますが、VRになるとその文脈がずれてきます。

VRでは表現が現実的であるが故に、そういった前提が希薄になり、ゲーム表現をするにあたっての力加減が難しいですね。

例えば、見えているもの全てに存在感があるような感覚になった時、酔わないとは言え、移動方法はワープ方式で良いのか、多少の酔いがあっても、キー操作で歩いてもらわないと駄目なのか。

VR酔いの耐性に個人差がある以上、どうしても歩ける人と歩けない人が存在する。そういった問題も出来てきます。

そこを割り切ってしょうがないとするのか、革新的な方を見つけるのか。

また、RPGでは10分程度進んだだけで数十キロ進んだ表現をしますが、現実感のあるVR世界でそれでいいのだろうか。そうは言っても街に行くのに本当に1日にかかったら駄目ですし(笑)


ーー『The Elder Scrolls V: Skyrim VR』なども販売になって、人類はどこまで酔いに耐えれるのかという点も気になります(笑)

山岸:『The Elder Scrolls V: Skyrim VR』のようなゲームも参考にしないといけないですね。

自分もSIEさんの『FARPOINT』をプレイした時にも初めは少し酔うかなと思いましたが、しばらくプレイしたら慣れました。

昔、FPSですら耐えられない人がかなりいましたが、今では多くの人が酔わずにやれるようになっていますし。


ーーそう考えると人類はまだ成長できそうですね(笑)

最後に読者に向けて一言お願いいたします。

山岸:今回制作したTrip Trap Travelers(T3)は、ロケーションベースという事で、ゲーム性よりも「体験」を強く出した作りになっていると思います。

VRは今までのゲームとは違い、プレイヤーの脳に感覚的に訴えかけてくる部分が大きく、それゆえプレイヤーへの負荷も結構高いだろうと考えています。

そのため、ゲーム慣れをしていないお客さん相手に、あまりゲーム性を上げすぎると混乱し、本来の目的である「体験」を楽しめなくなってしまうのではないか。

そう言って観点からゲーム性を下げています。

他社さんのゲームに比べると、まだゲーム性が高いかなあと思ってしまいました。

この辺は作り手である自分の、ゲーム屋としての性なんでしょうかねえ。

そういう意味では、ゲーム慣れをしたプレイヤーにも、そこそこゲーム性を感じてもらえる作りになっていると思いますので、コンシューマーやソーシャルをやっている皆さんもぜひ一度遊んでみてください。

本城:モノビットは、必要な技術をひとつひとつ積み上げながら、真面目に本気にゲーム開発に取り組んでいる会社です。ゲームを作りたい方、最新の技術に興味のある方、ぜひお気軽にお声がけください。一緒にMMORPGを作っていきましょう!!


ーーありがとうございました。
 
(取材・文 : 編集部 和田和也)

 

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