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【セミナーレポート】ロケーションVRの問題共有します 水を吸うパーツはNGなど、運営を通してわかったVRの難しさとは【前編】

2018年04月16日 12時05分更新

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ロケーションベースVR協会は、4月12日、クリーク・アンド・リバー本社で施設型VRオペレーションセミナーを開催した。VR領域で今特に注目を集めている施設型の体験について、実際に携わっているトップランナー達が登壇しその知見を共有した。本稿では堅苦しくなりがちなトピックに対しても登壇者のトーク力によって非常に和やかなセミナーとなったその内容をお届けする。
 

セミナーではモデレーターとして、ソニー・ミュージックコミュニケーションズの松平恒幸氏が務め、ロケーションベースVR協会の理事でハシラスでもある安藤 晃弘氏(写真左)、CAセガジョイポリスの速水和彦氏(写真正面左)、電通の足立 光 氏(写真正面右)、バンダイナムコアミューズメントの田宮 幸春氏(写真右)、それぞれの立場から施設型VRの現状を語った。

なお、​前半となる今回は運営を行うにあたってのオペレーションの負担軽減や、そもそもオペレーションを0にできないかというのが、このオペレーション軽減ワーキンググループの内容となる。まだ一般化しているとは言えないVRにおいて、HMDによって視覚が塞がれことでの懸念点や、なれない機器の装着による回転率の悪化など様々な問題をマンパワーによって解決しているのが現状だ。もちろん、接客を行うことでの贅沢さやオペレーションのインバウンド向けといった方向での価値を求めるようなケースもあるが、今回の議論ではあくまでもコストを下げることに重点を置いて議論となる。。

もちろんまだまだVRは発展途上の領域のため、すべての改題が解決したわけではなく、施設型のVRを運営するにあたっての課題共有をすることで、その認識し今後の解決に目を向けていくという内容だ。
 

*1の待合方法と、3の体験までの待ち時間やそれにまつわる内容に関しては大きな問題はないため割愛となった。

最初の事例となったの*は事前オリエンテーションだ。VRの体験はまだまだ初心者が多く、機器の装着や体験自体の説明が必要なる。これに対しての解決方法はあるのだろうか。

これについてはオペレーターが居ることで楽しませることもできるので、前提としては居たほうが良いという。ただ実際にコストと考えた場合には、体験する前にサイネージで代替えが可能ではないかとした。映像で装着の仕方などを全部流すことでオペレータはいらなくなるというのは、無人化への解決法だ。

安藤氏はHMDを被ると映像を流すことで、オペレーションするのもありではという議論も進んでいることを共有していた。
 

続いて免責事項に関してだ。HMDを使用したVRでは視覚を奪うため危険を伴う場合がある。そのため通常のアーケードゲームとは異なり、体験者へ事前に同意を得ておくのが好ましい。VR ZONE SHINJUKUの場合はVR専門施設として建設しているため、予約の際にシステム内で同意を求めている。

ただしこの同意はあくまでもVR体験全般のの免責となり、特殊なコンテンツにおいては企業としてリスクヘッジを考えた場合、体験するまえに口頭確認や署名を求めるなど、内容によっては同意を求める必要があるでのないかとのことだ。またソフトウェア側の対応で、映像の中で注意喚起するような仕組みも良いのではないかという案もあるようだ。

なお補足としてVRに限らずライド型の体験になると、アトラクションの挙動などによっては利用制限も出るため、webで事前に説明するのは難しいという意見も出ていた。人を介してしまうが体験直前に利用制限を提示して確認しているのだそうだ。webでの対応はもちろんあるが、法的な解釈をした際に100%免責になるかというと、それはないだろうということだ。

コンテンツによって適宜リスクヘッジを行うというのは重要な点だろう。
 

インバウンド重要が増えているため外国人の体験者が増えている。フリーローム型の場合、体験者の言語が異なると個別に案内が必要で解決しなければならない課題の1つだ。オリエンテーションと同様サイネージでで説明しておくことやレリーフを配るといった方法をとっている。また、コンテンツ制作者側としては、ソフトウェア自体にマルチリンガル設定を行っているものもあるそうだ。

また非接触型リーダーに属性入力を行っておき、身長・性別・言語といった様々な属性を内容を登録し、コンテンツ開始時にそれを読み取ることで自動化でありながら細やかな対応ができるのではという話も出ていた。
 

VRは視界が塞がれるため、荷物の盗難の恐れがある。VR ZONE SHINJUKUなどではロッカーを設置したり、コーエーテクモのVR SENSEは筐体にセーフティボックスを設けているようなケースもある。(但し荷物が大きい場合は入らない懸念も。)

ただ、どうしても回転が遅くなることや、設備投資という面もある。アテンドがいる場合でも、考えたくはないところだがアテンドが盗難を行うリスクすらも考えると監視カメラを設置するの良いのではないかとのことだ。またそんな話の中でも、ライド型であれば座面に収納できるのは便利ではないかという意見も上がっていた。
 

VRコンテンツの中にはバックパックPCを使用する体験もある。この手のPCはバッテリーの消費が激しいため、都度都度充電が必要になるそうだが、このプロセスがあるため、自動で充電する装置がない限りは無人化をするのはまず無理だろうとのことだ。ただVR HMDが無線化することで、バックパックPCはなくなっていくという話もあるようだ。しかし、今あるVIVEを無線化するTP CASTでは、マルチプレイをするのは難しい。

スタンドアローン対応のものに関しては、6dofやハンドトラキング、マルチプレイの位置関係の情報精度など機能面での物足りなさの懸念があるようだ。また田宮氏は「VR HMDが無線になったからといって幸せになるかは別の問題」だと指摘する。無縁化したHMDのバッテリーは、そこを駆動させるだけになり、LeapMotionなど別の機器を利用する際には別途動力を必要とするため、ロケーションベースのVRでバックパックPCがなくなると体験の質の面で困るケースもあるのではないかという懸念を持っているようだ。

現状のところ、フリーローム型のVRの場合は対応策がないのではないかという結論になった。
 

▲ソニー・ミュージックコミュニケーションズの松平恒幸氏。手に持つのは国内のVRではおなじみのニンジャマスクだ。

今回このセミナーを行うにあたって登壇者がもっとも白熱した議論を巻き起こしたのが、このニンジャマスクに関してだったという。VRの専門施設であれば、最初に配布することで事が足りる。コンテンツ毎にマスクの消費することもないので効率的だ。ただ、通常のアーケード施設の中にある場合はそうもいかない。

またVR ZONE SHINJUKU にある『近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds』に関しては、激しく動く人が多いアクティビティのため、途中でマスクがずれることがあるそうだ。そこで体験者に不便を強いるくらいなら、もう使わなくてもいい人はそのままやってもらうという仕組みにしたという。ただしHMDには防水カバーを付けるようにしたのだとか。防水ができているようであれば、体験後拭くだけですむというところだ。

また衛生面という意味では、「水を吸う部分があるのはアウト」と田宮氏が強調していた。というのも、VR ZONEにある「高所恐怖SHOW」では、プロモーション撮影の際に1日使っただけで手のマーカーで臭いが漂ってしまったという。そういう意味で防水という観点が非常に大事な点だろう。
 

CAジョイポリスの速水氏によると、まだVRに関してはまだ初体験者が多いのだそう。あと何年かすれば体験者が当然にように着脱できるようになるかもしれないが、今の段階ではどうしてもオペレーターが必要になってしまう。これにおいても、サイネージなどで映像を見せておき、啓蒙していく必要があるとのことだ。

一方で田宮氏は、VR ZONE SHINJUKUでは、この点において、かなり丁寧ケアしているのだが、それが故に体験者は覚えてくれないと嘆いていた。肌感ではあると前置きした上で、まだオペレーションを付けたほうが回転率が上がると考えているので、対応せざるをえないのだとか。またハードウェアの設計として、メーカーは装着時の快適性を優先しており、装着のしやすさに関しては優先度がそれに比べて下がっているのではないかと見解を話していた。畝医者側にとっては付けやすい方を求めてしまうので。

このテーマにおいては​ネタ半分、本気半分なのか、「レジ袋いりません」のようにオペレーションいりませんといったことで料金を下げる仕組みや、HMD、自分で装着できますTシャツの作成といったアイディアも出ていた。また装着した写真取りたい体験者が多いので、モックを使って練習させることで覚えてもらえるのではないかという案も出ていた。
 
このテーマに関しては慣れの問題で、できる人が増えることで解決していくが、それをいかに早めるかがが運営側の努力ではないかとしていた。
 

前半最後のトピックとなったヘッドホンの問題だ。没入感を高めるために、必須と言ってもいいヘッドホンではあるが装着時の煩雑さも増してしまう。多くのVR施設で使用しているHMDのHTC VIVEに関しては、オーディオストラップという一体型のヘッドホンが取り付けできる。

だが、すべてのVR施設でHTC VIVEを使用しているわけではない。ジョイポリスではHMDにOSVRを採用しており、音声は別途ヘッドホンを用意している。こういったことで配線が絡んでくる場合もあり、装着時にはより煩雑になっていくため、完全無人化は難しく現状人の手を介す必要がある。究極の所ヘッドホンがない方がいいのではという話になった。施設内自体に音響を組み込めるのが理想ということだ。

また前半の終了間際の質疑応答では、聴講者からHMDやコントローラーの手汗などが酷いがどういった対策をしているかという質問が飛んだ。この問いに対して、アルコールの布でオペレーターが拭いてると田宮氏が答えていた。この方法の良さとして、自分の感覚でよりも拭いていることよりも、その行為を見せること自体で心理的に安心するのではないか、そういった点も大事ではないかと語っていた。
 
<続く>
 

ロケーションベースVR協会

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